ふるさと納税の大きな魅力だったポイント制度ですが、総務省の決定により廃止されました。この変更を受けて、「ポイントが禁止されるのは楽天だけなの?」「サイトによる違いはあるの?」「これからふるさと納税はどこがお得になるのだろう」といった疑問や、今後のお得な買い方について知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回の制度変更は、単にお得さが減るという話だけではありません。むしろ、ふるさと納税という制度そのものの価値を見つめ直し、より賢く、そして本質的に地域を応援するきっかけになるとも考えられます。
この記事では、ポイント廃止の背景から今後の具体的な活用法まで、あなたの疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
- ポイント制度が廃止された根本的な理由
- 制度変更が利用者や各サイトに与える具体的な影響
- ポイント廃失後もお得にふるさと納税を活用する方法
- 今後のふるさと納税サイトの新しい選び方
ふるさと納税のポイント廃止はなぜ?制度の背景を解説

- ふるさと納税の基本的な仕組みと目的
- ふるさと納税のポイントが廃止へ!総務省の狙いを解説
- ポイント禁止でどうなる?利用者への具体的な影響とは
- ポイントが禁止されるのは楽天だけ?
- 制度改正に対する賛成派と反対派の意見
ふるさと納税の基本的な仕組みと目的
ふるさと納税とは、あなたが選んだ地方自治体へ寄付ができる制度です。寄付を行うと、自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税や住民税から控除される仕組みになっています。さらに、多くの自治体では寄付への感謝として、地域の特産品などを返礼品として受け取ることが可能です。
本来、この制度は都市部に集中しがちな税収を地方へ再分配し、地方の活性化を促すことを主な目的として2008年に始まりました。地域の魅力を全国に発信したり、地場産業を振興したりする上で重要な役割を担っており、市場規模も年々拡大しています。
ふるさと納税のポイントが廃止へ!総務省の狙いを解説

近年、多くのふるさと納税仲介サイトが、寄付額に応じて独自のポイントを付与するサービスを展開していました。しかし、このポイント還元競争が過熱し、本来の「地域を応援する」という目的から、「いかに多くのポイントを得るか」という目的に関心が移りつつあることが問題視されるようになりました。
このような状況は、仲介サイトへ支払う手数料やポイントの原資が、結果的に自治体の財政を圧迫する一因にもなっていました。
そこで総務省は、ふるさと納税の健全な運用と持続性を確保するため、ポイント付与を通じた寄付の募集を禁止するという判断を下したのです。この改正は2025年10月1日から実施され、制度を本来の地域貢献という原点に回帰させることが根本的な狙いと言えます。
ポイント禁止でどうなる?利用者への具体的な影響とは
ポイント制度が廃止されることで、私たち利用者にはメリットとデメリットの両面で影響が考えられます。
メリット
最大のメリットは、制度の本来の意義に立ち返れる点です。これまではポイント還元率の高さで寄付先を選んでいた方も、これからは純粋に「応援したい地域」や「欲しい返礼品」という基準で選ぶきっかけになります。
また、一部の利用者だけが過剰なポイントの恩恵を受けるといった不公平感が是正される可能性もあります。
デメリット
一方、デメリットとしては、これまでポイント込みで感じていた「お得感」が薄れてしまう点が挙げられます。
特に、ポイント獲得を主な動機としていた方にとっては、寄付へのモチベーションが低下するかもしれません。実際に、制度が変更される前の2025年9月末には、駆け込みでの寄付が急増する現象も見られました。
ポイントが禁止されるのは楽天だけ?

「ポイント禁止は楽天だけが対象なのか」という疑問を持つ方もいますが、これは誤解です。今回の総務省による制度改正は、特定のサイトを狙ったものではなく、ふるさと納税を取り扱う全ての仲介サイトに適用されます。
したがって、「楽天ふるさと納税」はもちろん、「さとふる」や「ふるなび」といった他の主要なサイトも、2025年10月以降は寄付に伴う独自のポイント付与を全面的に停止しています。
これには、ポイントサイトを経由した場合の還元も含まれます。楽天グループは、この決定を不服として行政訴訟を起こすなど強く反発していますが、現時点では全てのサイトでルールが適用されている状況です。
制度改正に対する賛成派と反対派の意見
今回のポイント廃止については、さまざまな立場から賛成と反対の両方の意見が出ています。
賛成派の主な意見としては、「過度な競争が是正され、制度が本来の趣旨に立ち返る良い機会だ」というものが挙げられます。自治体の財政負担が軽減されることや、寄付者の意識がポイントから地域応援へとシフトすることを期待する声が多いです。
一方で反対派からは、「ポイントは寄付の大きな動機であり、廃止は利用者離れや地域経済へのマイナス影響を招く」といった懸念が示されています。また、ポイントは仲介サイト事業者の負担で提供されており、自治体の財政に直接的な影響はないという主張も見受けられます。
ふるさと納税のポイント廃止はなぜ?廃止後の活用法

- ポイント廃止後、ふるさと納税はどこがお得になるのか?
- 主要ふるさと納税サイトの違いは?選び方の新常識
- ポイントに頼らない!ふるさと納税の「お得な買い方」
- ポイント廃止後もふるさと納税は本当にお得?
- ふるさと納税のポイント廃止はなぜ?制度の背景と活用法
ポイント廃止後、ふるさと納税はどこがお得になるのか?
ポイントという共通の尺度がなくなった今、「お得」の基準は多様化しています。これからは、返礼品そのものの価値や魅力が、お得さを判断する上で最も重要な要素になると考えられます。
例えば、市場価格の高いブランド果物や希少な海産物など、質の高い返礼品を選ぶことで、実質的なメリットは大きくなります。
また、仲介サイトはポイント付与に代わる新たな付加価値を提供し始めています。サイト限定の返礼品を用意したり、期間限定で寄付額の割引キャンペーンを実施したりするなど、サイト独自の取り組みに注目することが、新しいお得さを見つける鍵となるでしょう。
主要ふるさと納税サイトの違いは?選び方の新常識

ポイントという大きな比較軸がなくなったことで、各サイトの本来の強みや特徴を理解して選ぶことが、これまで以上に大切になります。以下に主要サイトの特徴をまとめましたので、サイト選びの参考にしてください。
| サイト名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
| ふるさとチョイス | 掲載自治体数・返礼品数がNo.1で網羅性が高い | 幅広い選択肢の中からじっくり選びたい人 |
| 楽天ふるさと納税 | 楽天経済圏のユーザーにとっての利便性が高い | 普段から楽天市場を利用する人 |
| さとふる | 返礼品の発送が早い傾向にあり、サポートも充実 | 早く返礼品を受け取りたい初心者 |
| ふるなび | 家電製品の返礼品が豊富で、独自キャンペーンも多い | 家電や金券類の返礼品に興味がある人 |
| au PAY ふるさと納税 | Pontaポイントでの支払いが可能 | auユーザーやPontaポイントを貯めている人 |
これからは、掲載数の多さ、返礼品のジャンルの得意分野、サイトの使いやすさ、キャンペーンの内容などを総合的に比較し、ご自身のライフスタイルに合ったサイトを選ぶという新常識が求められます。
ポイントに頼らない!ふるさと納税の「お得な買い方」
ポイントがなくても、工夫次第でふるさと納税のお得度を高めることは可能です。まず、複数の仲介サイトを比較検討し、サイト限定のキャンペーンや割引を見逃さないようにしましょう。
特に年末などは、各サイトが独自の特典を用意することがあります。ただし、2025年10月以降は仲介サイトでのポイント付与は禁止されていますので、ご注意ください。
次に、支払い方法を工夫することも一つの手です。例えば、クレジットカードで支払えば、カード会社独自のポイントは通常通り付与されます。還元率の高いカードを利用することで、間接的にメリットを得られます。
また、寄付をする前に、ご自身の年収や家族構成から控除上限額を正確に把握しておくことが大前提です。シミュレーションツールを活用し、自己負担が2,000円を超えてしまわないよう計画的に寄付を行いましょう。
ポイント廃止後もふるさと納税は本当にお得?

ここまで解説してきた通り、ポイント制度が廃止された後も、ふるさと納税は依然としてお得な制度です。最大の魅力である「税金の控除」という根幹の仕組みは何も変わっていません。
自己負担2,000円で、控除上限額までの寄付に対する税金の優遇と、魅力的な返礼品を受け取れるという基本的なメリットは継続します。
むしろ、ポイント競争がなくなったことで、自治体や事業者は返礼品の質や魅力を高めることに、より一層力を入れるようになると考えられます。私たち寄付者にとっては、純粋に地域を応援し、質の高い返礼品を楽しむという、制度本来の価値を再発見する良い機会になるでしょう。
ふるさと納税のポイント廃止はなぜ?制度の背景と活用法
この記事で解説した「ふるさと納税のポイント廃止」に関する要点を、最後にまとめます。
- ポイント廃止はふるさと納税の健全化が目的
- 過度なポイント競争が制度の趣旨を歪めていた
- 総務省が自治体の財政負担軽減と公平性確保のために決定
- 2025年10月1日から全ての仲介サイトでポイント付与が禁止
- ポイント禁止は楽天だけでなく主要サイト全てが対象
- 利用者のお得感は減るが、制度本来の意義に立ち返る機会
- 税金の控除と返礼品という基本的なメリットは変わらない
- クレジットカード支払いによるカード会社のポイントは付与される
- ポイント廃止後のお得基準は返礼品の魅力や質が中心
- サイト独自のキャンペーンや割引が新たな比較軸となる
- サイト選びは掲載数や得意ジャンルなど総合的な判断が重要
- 事前に控除上限額をシミュレーションすることが大切
- ポイントに頼らないお得な買い方の工夫が求められる
- ふるさと納税は地域を応援するという本質的な価値を持つ制度

